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九寨溝で目にした自然美に興奮さめやらぬまま、翌朝も早くから黄龍観光へ出発です。
昨日同様簡単に朝食を済ませてバスに乗り込むと、どうやら黄龍へ行く前におみやげ物を売っている場所へ寄る様子。バスは高原地帯を走り、大きな駐車場を備えたパーキングエリアのような場所へ。建物の前には、大量の観光バス。なんだろうと思って中に入っていくと・・・。
いきなりすごい人ごみ!どうやら、特産品の肉の加工品を売るお土産物やさんです。 日本人から見るとあまり美味しそうに見えないのですが、中国の方々はすごい勢いで買っています。「打包」(=持ち帰り)カウンターの前には長蛇の列。みんな、両手に大荷物!
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こんな肉加工品が所狭しと売られています。こういうものは真空パックにしてくれます。 |
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もともと包装されているものも。試食もし放題。 |
ツアーに参加すると、お土産物やさんに寄らなければならないからイヤだと思ってツアー旅行には極力参加しない私たちですが、こんなローカルな中国人向けのお店に入るとそれはそれで面白いなあと思い、買い物ではなく写真撮影に夢中になってしまいました。どうやら、このお店で買い物をすると、ガイドさんにいくらかがバックされるらしく、買い物をしたら伝票を私にちょうだいね、とガイドさんがみんなに声を掛けていました。
ひとしきり写真を撮影したら、特に買うものもないので外へ出て露天を冷やかします。チベット族の方々がアクセサリーなどを売っていましたが、これがなかなか絵になる光景。
その後、今度は牛の角や骨の加工品のお土産物やに寄り、またみんなは買い物、私たちは ブラブラのパターンを経て、レストランでお昼を食べて、ついに黄龍へ向けて出発です。
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途中4120メートルの雪峰頂の峠を越えるということで、 バスは、カラッと晴れた高原地帯をグングン登っていきます。車窓には、晴れ渡った空に標高5588メートルの雪峰頂とその周りの山々の姿が美しく現れて、夫も私も崇高ともいえる山々の姿に釘付けに。4120メートル地点ではバスが止まって、記念撮影をさせてくれます。私たちも、ツアーのメンバーにお願いして写真を撮ってもらいました。4000メートル地帯を超えるというので、バスには、地元の人たちが高山病予防の薬を売りに来たり、酸素ボンベを売りに来たりしますが、バスでゆっくりと上がってきた私たちには特に何の症状も現れず、心配は無用でした。
13時半ごろ、やっと黄龍風景区の入り口へ到着。ずいぶんとお土産物屋で時間をつぶしたものだと 思いつつ、張り切って入場します。昨日と同じく、構内は自由行動で夕方にまた入り口に集合とのこと。ここが3150メートル地点。パンフレットとガイドさんの説明から察するに、ここから、3850メートル地点の五彩池というベストビュー地点まで登山するようです。
※現在はロープウェイができていますので、体力に自身のない方はロープウェイをご利用くださいね。詳しくは 不安解消Q&Aのページへ
しかし、とにかくすごい人!先ほどの肉屋さんにも負けない人ごみで最初の遊歩道は朝の山手線のような混雑。せっかくの自然を楽しみに来たのに、いったいこの混雑は何だろう・・・、とちょっと興ざめするのですが、3000メートル超えの高地を15分も歩くとたちまち体力の差によって登山スピードに差がつき、おのずと混雑が緩和されるので、混雑に関してはそう心配することはありません。
天気が良く、景色の美しい場所を歩くのは楽しいのですが、やはり3000メートル越えの地点での登山はきつい!九寨溝では、バスが通っているので、傾斜が急な部分はバス、平坦な道は歩く、という選択ができ、それほど空気の薄さを感じることはありませんでしたが、黄龍では必ず登山をしなくてはならないので、空気の薄さが堪えます。しかも、3時間で行って帰ってこなくてはならないので、そうそう休憩もしていられません。運動好きの夫は割とスイスイと登っていましたが、運動不足の私はフ〜フ〜。それでも、30分も歩くと、周りに夢にまで見た(大げさ)あの青い池がちらほらと出現してきます!そうなると俄然元気が沸いてきて、しんどくても頑張るぞ〜という気分で、ひたすら3850メートル地点の五彩池を目指して歩きました。
途中、酸素補給所がいくつかあるので、しんどい時には酸素を補給するのも手です。こちらは無料です。それほどしんどかった訳ではありませんが、私も酸素補給に挑戦しました。でもあまり効果は感じられません。
五彩池が近づくにつれ、黄龍らしい青い池がたくさん出現してきます。光の加減や角度によって様々な青に輝く池の様子に、みんな「わ〜」とか「きゃ〜」とか「あいや〜」(多分)とか言いながら、あちこちで記念写真を撮っています。「ここ」というベストビューには、記念撮影ができるようなデッキが設けられているので、写真撮影必須!当然のことながら、そこが写真撮影のベストスポットなので、大混雑していますが、順番を待ってでも写真撮影されることをお勧めします。私たちも、そこで撮影した写真がとても気に入って今も額に入れて飾っています。
歩くこと一時間半。15時半に黄龍寺へ到着。この黄龍寺の後ろに、ついに五彩池が!ここまでの景色ももちろん美しかったけれど、やはり五彩池が一番と言われているので心が弾みます。
そしてついに五彩池へ!
五彩池が見えたときは本当に感動です!目の前に写真で見たあの風景が広がっているのですから。言葉ではとても説明できませんが、本当に不思議で心奪われる色合い。とてもしんどかったけど頑張って登ってよかった〜、と思わされます。実際、途中で諦めてしまう方もあったのですが、黄龍へ行ったからには、体調が許す限りはぜひ頑張ってここまで登りたいものです。
ちなみに、どうしても自力ではムリという方には、篭もありました。今も健在でしょうか?そして、私が行ったときにはありませんでしたが、今はロープウェーもできていますので、そこから眺めるのも手です。但し、少し離れた場所にあるようですので、やはり間近で眺めるには登山するのが一番です。
五彩池の周りにはぐるりと遊歩道が敷かれており、様々な角度から美しい青の色合いを楽しむことができます。私たちもさわやかな気分でのんびり歩き。途中、写真撮影に適したスポットにはデッキがありますのでそこで写真を撮ることをお忘れなく!
五彩池を堪能したらあとはのんびりと下山です。下山途中にもナイススポットが満載。黄龍の美しい風景をご覧ください。
美しい景色からは話が外れますが、黄龍でもうひとつ驚いたのが、山を登る現地の男性たち。 いえ、普通に登るんじゃないんですよ、上の売店へ荷物を運ぶんです。これです!こんな荷物、平地でも背負うのが大変なのに、これを背負って一キロ近く登山するんですから!もちろん時々休憩しながらですが、スイスイと登る男性たち。夫も尊敬の眼差しで見ていました。
5時過ぎに集合してバスに乗ると、みんな疲れてバスの中でうとうと。実は、このツアーバス、山道をすごいスピードでブッ飛ばすので、九寨溝に行くための山道に差し掛かった頃には怖くて手に汗握る感じでしたが、数日乗っていると慣れてきて、右に左に揺られながらグーグーと寝られるようになるのですから恐ろしい。私たちも、くだりのクネクネ細道を80キロ以上のスピードで揺られながら、夢の中へ・・・。
ふと気がつくと、もうバスは[シ文]川(モンセン)の街まで戻ってきていました。今夜はここで宿泊です。遅めの夕食を取ってホテルの部屋へ。宿泊した宿の部屋。九寨溝・黄龍の山間地と比べると、設備が少しグレード高し。お湯もいつでも出ます。
実は大学時代に私はこの街に一ヶ月ほど滞在して、チャン族の住居の調査をしたことがありました。その時には本当に小さな街だったのに、九寨溝・黄龍観光の中継地として街はどんどん栄え、今ではツアーバスが次から次へとやってくる賑やかな場所に変わっていました。10年しか経っていないのにほとんど別の街に生まれ変わっており、懐かしさよりも少し寂しい気持ちを味わいつつ眠りについたのでした。